喫茶店なのに歴史的建造物!
今回は河原町にあります創業80年以上の喫茶店に行きました。
ケーキセットをいただいた様子をレポートします。
■目次
1.フランソア喫茶室へ
2. 国登録有形文化財 指定の喫茶店(内装・外装)
3. メニュー
4. ケーキセットを実食
5. まとめ
6. フランソア喫茶室 基本情報
フランソワ喫茶室へ
四条小橋から少し下ったところにあります『フランソア喫茶室』にやって来ました。
こちらは太平洋戦争が始まる前の昭和9年(1934)に創業。
88年の歴史がある喫茶です。
「フランソア」はフランスの画家「フランソア・ミレー」からとったそうで、戦時中は敵性語の禁圧から店名を「都茶房」に替えていた歴史があります。
先日、京都府立図書館で「フランソア喫茶室(著・佐藤裕一)」という本を発見しました。
ある一人の労働運動家が、活動家の自活と社会主義啓発を目的として 喫茶店を開店したのが「フランソア喫茶室」のはじまり。
お店には反ファシズム誌「土曜日」が置かれ、その寄稿者らが喫茶店に来ていたとのこと。
この本には労働活動家たちとお店の歩みが描かれています。
国登録有形文化財 指定の喫茶店(外装・内装)
そんな思想的歴史のある喫茶室ですが、お店の建物にも 創業者が求めた“思想や芸術の自由”が表現されているそう。
まず外装。
白(公式は淡いグレーと言っています)の外壁、窓、ランプがとっても素敵。
店の前に立つと、まるでヨーロッパに来たような気分になります。
当時はこのようなデザインはかなり前衛的だったかと思います。
表現方法こそ“映える” に変わりましたが、現代でもお洒落で可愛いと感じますよね。いつの時代も日本人が憧れるものは同じ、ということでしょうか。
そして、豪華客船のホールを参考にしたという 高級感のある内装。
壁には創業時から飾られている名画の複製など、美術品が飾られています。
残念ながら写真にはおさめられませんでしたが、鮮やかなステンドグラスも綺麗でした。
外から入る光と照明で店内は明るく、心が解き放てるような、晴れやかになるような空間です。
これら外装・内装は1941年の大規模改装以来、変わっていないと言うから驚きです。
平成15年(2003年)には、喫茶店としては初めて国の登録有形文化財に指定されたのだそうです。
ちなみに京都市の国指定有形文化財といえば、本能寺(本堂ほか)、大聖寺(本堂ほか)、平安神宮(大鳥居ほか)、祇園閣、南座などがあげられます。
メニュー
さて、いろいろとお店の歴史を書きましたが、ここからは食事の様子をレポートしていきます。
この文字のみの縦長メニュー表がレトロチックで良いですよね。
ケーキメニューがカードになっているのも逆に新しさを感じます。
↑クリックで拡大表示
珈琲・紅茶のほか、ジュースの種類も豊富。
お菓子や軽食の種類も意外と多くて少し迷いました。
価格は京都の観光地らしい価格…ですが、雰囲気代と思えば納得ですね。
ケーキセットを実食
今回はケーキセット(アイスコーヒー+ケーキ)を2つ注文しました。
ケーキは
・レアチーズケーキ
・洋梨のタルト
を選択。
では、いただいてみましょう。
アイスコーヒー
今回はブラックでいただきました。
深い苦みで、渋さ・酸味は少な目で飲みやすい。
コーヒーの風味がふんわり広がる様な後味です。
レアチーズケーキ
レアチーズのムースはふんわり柔らかめ。酸味が強く、チーズの風味が非常に濃厚。
その酸味を 下のスポンジにたっぷり含まされたシロップとブルーベリーソースの甘みがまろやかにしてくれて丁度いいバランス。
全体的に甘すぎず、大人なお味でした。
洋梨のタルト
アーモンドクリームと洋梨がごろっと入ったタルト。
甘くてシャキッと食感の良い洋梨と、バターの風味が効いたケーキ生地、ほろほろと香ばしいタルト生地が美味しかったです。
こちらは少し甘めですが、しつこくなく上品な甘さ。
ブラックコーヒーと頂くと丁度よかったです。
まとめ
今回は木屋町通りにある『フランソア喫茶室』へ行きました。
ケーキセットも美味しくいただきましたが、何と言っても クラシカルな美しい外観・店内が素敵。
豪華絢爛なのに、くつろげる雰囲気があって居心地のいい空間でした。
戦前から守られてきたお店、コロナも乗り越えて末長く続いて欲しいですね。
余談ですが、店員さんの可愛い制服にも注目。
↓ 2024年5月追記 2回目の訪問(メニューが変わっています。)
フランソア喫茶室 基本情報
アクセス:
・阪急電車「京都河原町駅」1-B出口より徒歩約1分
・京阪電車「祇園四条駅」3番出口より徒歩約3分
営業時間:10:00〜22:00
定休日:無休
支払い:現金のみ
公式HP:https://www.francois1934.com/